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眼の色というのは、これまでに全く興味がなかった。ただ、これだけ情報を集める力があるのであれば、たった今思いついた事だって予測できるのではないだろうか。なんて意味のない遊びだった。
セールスマンは健二のなんとなくの悪戯の意味がわかったようで、下がった眉の形を戻すと、説明を進めるのだった。
十五分程して、彼の説明でわかった事は
支払いは現金のみ。手持ちが足りない場合には総額の半分を頭金として、残りを一週間以内に支払う。
商品をーーといってもこの場合は人間だが、取り扱う際にはどうやら用意されたホテルの一室でないといけない。
外部に漏らさない。
商品をバラバラにしない。
それが大筋の決まりのようだ。
なぜバラバラはダメなのか、と興味本心で聞こうとしたが、途中で面倒になってやめた。健二にはそのような趣味はないし、きっと片付けが大変とか、大した事のない理由なのだろう。なんとなくそんな気がしていた。
それにきっと、そういう嗜好が無いことも調査済みなのだろう。
契約書に渡された万年筆でサインをし、時間と場所だけが書かれたカードを受け取る。そして、自宅に帰るとカードに印刷された場所を調べることにした。
時間は一年後と少し先だった。