17

 

均等に整列し、鮮やかな葉をつけた木の枝が左右に規則的に揺れる。外はとても暖かく、ここ最近の厳しい寒さを飛び越えて春がやってきたような空間だった。

 

そして、木造で大きく、様々なパステルカラーで仕上げられた家と、一件に一つずつの青々とした茂った庭がゆったりとした間隔で並んでいた。

 

各々の庭には三輪車、自転車、広いガレージに立てかけられた芝刈り機。赤や緑のボール。何軒かの家には、幼児しか入らない様な小さな小屋が構えてあり、その全てに熊のような犬が昼寝をしていた。

 

 

その一角で笑う子供は、最近やっと歩けるようになったばかりなのだろう。宝石の様なクリアブルーの瞳は、日に照らされる事でより一層ガラス玉のようになった。

 

側でじっと見守る男が駆け寄ると子供は、ぱっと笑顔になるーー。

 

 

 

 

 

不安が襲うとかならずクラウドが側にいた。優しく撫でた後、体を起こすと青色の数字が光るアナログ時計は四時過ぎを知らせていた。

 

健二の悪夢は、海外の住宅街らしき場所であったが、近所の公園がテーマになっているものもあった。

公園が出てきた日には特に酷く気分が悪くなり、トイレに駆け込むと食べたものを吐いていた。

 

 

二回深呼吸をして、また眠りにつく。夢の続きを見ない事を彼はわかっていた。






 

 

 https://blog.with2.net/link/?1950327