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健二は子供を犯したい訳ではない。そんな性癖は無いしそれに値する人間を軽蔑さえしている。それに拷問したい訳でも無かった。

 

ただ。子供を殺してみたい。

 

紙切れに記された八人の子供達は、決して誰にも漏らさず、健二の中だけに大切に隠しておいた嗜好そのものだった。

 

人身売買をしている業者からしてみれば、性別だって、年齢だって、性格だってクライアントによって大きく変わるだろう。俺はこの男の前で子供なんて口にした事は勿論一度もない。四日前に初めて会ったこの男に全て知られている。いや違う。正しくはセールスマンの上司に、だ。

自分は途方も無く大きな何かと取引をしているのだー。きっと誰も太刀打ちできないような、完全無欠のモンスター。

 

 

健二は安堵し、タバコに火を付けた。

 

「この書類を見て頂くと、驚いた後に皆さま安堵されるんですよぉ」

 

 

「これは…。素晴らしいとしか言いようがないね」

 

 

まだ落ち着いていない健二に、青年が料金を説明していく。

八ヶ月の白人の欄に目をやると、¥140,400,000-

一歳の白人

¥162,000,000-

三歳が三人

一人¥75,600,000-

四歳が三人

一人¥86,400,000-

 

「単純な疑問なんだけど、白人が高いのはなんとなくわかるよ。でも、どうして三歳より四歳の方が高額なのかな。」

 

「やはり一年長いとなると。維持費用がかかっちゃうんですよね」

 

 

「ふぅん。この白人って、目の色は何色かな」

 

 

「二人とも、青い眼をしております。申し訳ございません、欽堂様の眼の色までの好みはリサーチ出来ておりませんでした。」

 

「いやいや、単純に興味で聞いただけなんだ。眼の色にはこだわりはないよ」

 

 

「左様でございますか。お望みであれば何でもお聞きください」

青年の目がさらに垂れ、暖かい笑顔が健二だけに向けられた。

 

 

 

 

 

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